再生可能エネルギーと蓄電池

第4回ブログ担当の土肥です。

みなさん,突然ですが,電池って何でしょう。電気を貯めておくものでしょうか?それとも,化学反応によって電気を生じるものでしょうか?どちらでもない太陽電池も電池ですよね。日本大百科全書によると,「物質系の変化によって放出されるエネルギーを直接電気エネルギーに変換する発電装置」と書かれています。つまり,電気を取り出せるものは全て電池なのです。極端な話,発電所も電池なのです。

電池は,物理電池,化学電池,生物電池(電気ウナギなど)に大きく分けられます。物理電池は,熱や光などの物理エネルギーから電気を作るもので,太陽電池,熱電池,原子力電池などが挙げられます。これらの電池は電気を貯める蓄電機能はありません。発電しても使わなければ,無くなってしまします。そのため,蓄電池とセットで使うことも多いですね。

化学電池は化学反応によって電気を作る電池で,使い切りの一次電池と,充電することで繰り返し使える二次電池とがあります。マンガン電池やアルカリ電池は,よく目にする電池ですが,使い分けがあるのはご存じでしょうか?アルカリ電池は,使える電気量が大きいので,モーターなどの電力消費が多いものに使用します。一方,マンガン電池は電気の消費量が少なく,長く使うものに使用します。テレビやエアコンのリモコンなどがそれにあたりますね。もっとも,我が家では,2種類の電池をストックするのが面倒ですので,アルカリ電池で代用していますが。

二次電池の代表格は,皆さんもご存じのリチウムイオン電池です。スマートフォンや電気自動車,太陽光発電の蓄電池などに使用されています。リチウムイオン電池は,「エネルギー密度」と言って,重量(または体積)あたりに蓄えられるエネルギーが非常に大きく,小さくてもたくさん電気が蓄えられるので,非常に便利です。その代わりに,使い方を間違えると,発火したりするので注意が必要です。また,リチウムイオン電池は高温では化学反応により,正極,負極がともに劣化します。特に満充電時は熱に弱いので,充電したスマートフォンを夏の車内に置き忘れたりしないよう,注意してくださいね。

さて,現在,太陽電池などの再生可能エネルギーの蓄電には,主にリチウムイオン電池が使われています。リチウムイオン電池はその用途によって正極材料が異なっており,充放電回数(サイクル)も変わってきます。家庭用蓄電池にはリン酸鉄系が使われており,充電回数も1万回と多くなっています。毎日充放電しても25年以上使えますね。これでも十分長く使えるとは思いますが,静岡理工科大学の蓄電装置研究室では,もっと長く使える電池を研究しています。それは,レドックスフロー電池といって,電気を電解液に貯める蓄電池です。電解液に貯めるので,電極材料が壊れることが無く,その点では,半永久的に使える電池です。これを,再生可能エネルギーの蓄電池として利用することを考えています。レドックスフロー電池の詳細については,またの機会にお話ししたいと思います。

 

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